事件の基本情報
事件番号:令和5年(ワ)第1623号
事件名:不当利得返還請求事件
所轄裁判所:東京地方裁判所
裁判所名:東京地方裁判所 民事第35部
裁判官:裁判長裁判官 森 健二、裁判官 桐谷 康、裁判官 内貴 主税
判決言渡日:令和8年2月26日
判決の概要
原告(A社)が、元取締役K氏が代表を務める被告(G社)との業務委託契約が利益相反取引にあたり無効であること、また契約上の支払条件(アクティブ化)を満たしていないこと等を理由に、支払済みの手数料約6000万円の返還を求めた事案。裁判所は、取引の有効性を認めるとともに、原告の代表者W氏がかつて自ら承認した経営戦略を後に否定して提訴したことは、信義則に反する「権利の濫用」にあたると判断し、原告の請求を全面的に棄却しました。
勝訴者の提示
「勝訴したのは、被告 です」
判決を一言で解説
不当利得返還請求に対し、裁判所は「契約は有効であり、かつ原告代表者による自己矛盾した提訴は権利濫用である」として、返還請求(6001万0500円)をすべて棄却しました。
判決文文字起こし
令和8年2月26日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和5年(ワ)第1623号 不当利得返還請求事件
口頭弁論終結日 令和7年11月20日
判決
東京都中央区銀座一丁目(以下、番地略)
原告 A株式会社
同代表者代表取締役 W
同訴訟代理人弁護士 S1
同 K1
東京都中央区東日本橋三丁目(以下、番地略)
被告 G株式会社
同代表者代表取締役 K
同訴訟代理人弁護士 K2
同 S2
東京都港区赤坂九丁目(以下、番地略)
被告補助参加人 D
同訴訟代理人弁護士 S3
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用(補助参加によって生じた費用を含む。)は原告の負担とする。
事実及び理由
第1 請求
被告は、原告に対し、6001万0500円及びこれに対する令和5年2月8日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。
第2 事案の概要等
1 本件は、原告が、原告と被告との間の業務委託契約(以下「本件契約」という。)は、原告の取締役であった被告代表取締役Kが被告の代表取締役として締結したもので、会社法356条1項2号の利益相反取引に当たるが、その締結につき原告の株主総会の承認を受けていなかったから無効であるなどと主張して、被告に対し、不当利得に基づき、原告が本件契約に基づいて被告に支払った業務委託料相当額の返還及びこれに対する令和5年2月8日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年3パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案であり、原告の当時の代表取締役であったDが、被告の補助参加人として本件訴訟に参加した。
2 前提事実(当事者間に争いがないか、後掲証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実)
(1) 当事者・関係者
ア 原告は、令和2(2020)年3月に設立された、AI搭載の次世代型監視カメラ「Jブランド」(以下「本件商材」という。)の開発・販売等を業とする株式会社である(争いがない)。
イ W(以下「W氏」という。)は、大手通信企業勤務を経て、原告を設立した者であり、その設立時からの原告の取締役であり、令和4年12月1日以降、原告の代表取締役となっている。原告の設立時の原告の取締役としては、W氏のほか、上記通信企業のICT関連企業の役員を歴任したS氏が社外取締役に就任していた(甲1、乙1、弁論の全趣旨)。
ウ H2株式会社(以下「H2社」という。)は、平成25(2013)年6月に設立された、ソフトウェアの開発及び開発受託業務等を目的とする株式会社であり、実質的には、W氏の資産管理会社であった。W氏の妻であるY(以下「Y氏」という。)が代表取締役であったが(なお、W氏とY氏は、令和2年4月に離婚したが、両名の間には、R(平成21年6月生まれ)ほか1名の子がいる。)、令和4年11月、Y氏が代表取締役を辞任してW氏が代表取締役に就任した(甲19の1、乙5、24、25の1〜3、乙30[1頁]、72[5頁]、弁論の全趣旨)。
エ D(以下「D氏」という。)は、S法律事務所を開業した弁護士であったところ、令和2年春頃、知人を通じて知り合ったW氏から原告への参画を勧誘され、令和2年8月31日、原告の代表取締役に就任し、令和2年9月1日に原告の株主となった。W氏と真藤を除く旧経営陣は退任した(甲1、32[1、3頁]、乙4の3、81の1、乙120[4、6頁]、弁論の全趣旨)。
オ 被告代表取締役K(以下「K氏」という。)が代表取締役を務める被告は、電子通信・コンピューター及び周辺機器等の販売等を目的とする株式会社であり、携帯電話販売店の運営等を通じて全国的な営業体制を有していた。K氏は、令和3年3月12日から令和4年12月12日まで、原告の営業担当の取締役でもあった(甲2、21[9頁]、弁論の全趣旨)。
K氏は、D氏の知人であり、「営業畑の者を連れてきてほしい」旨のW氏の依頼を受けていたD氏から、原告への参画等を打診され、令和2年11月4日、被告をして原告に3000万円を出資させ、被告が原告の株主となった。K氏は、令和3年3月12日、原告の取締役にも就任した(甲1、2、31[1、2頁]、乙3、4の3、弁論の全趣旨)。
カ H(以下「H氏」という。)が代表取締役を務めるS株式会社(以下「S社」という。)は、ウェブマーケティング等を目的とする株式会社であり、営業ノウハウや代理店網を有していた(甲30[3頁]、乙119[6頁])。
本間は、清田の知人であり、清田から原告への参画等を打診され、令和3年11月29日、原告の取締役に就任し、以後、清田と本間の両名が、原告の営業プランの企画立案業務を担当することとなった(甲1[9頁]、甲30[1、2頁]、弁論の全趣旨)。
(2) 本件契約の締結
ア 原告は、令和4年6月1日、被告との間で、被告を代理店として、本件商材の申込みの勧誘や顧客からの申込書の回収業務等を委託する旨の本件契約を締結した。すなわち、本件契約の委託業務は、被告が原告を代理して原告と顧客(エンドユーザー)との間の本件商材の利用契約を成約させるものであり、本件契約では、原告が被告に本件商材1台の利用契約当たり1万6500円(消費税込み)のインセンティブ(業務委託料)を支払うこととされた(争いがない、甲3の1〜3)。
イ 原告は取締役会非設置会社であるところ、本件契約の締結について、原告の株主総会における承認はされていない(争いがない)。
ウ S社は、2次代理店として、被告との間で、本件商材に係る獲得業務委託契約を締結した。被告がS社に対して本件商材1台当たり1万5400円(消費税込み)のインセンティブを支払うこととされた(弁論の全趣旨)。
(3) 本件契約に基づくインセンティブの支払
ア 被告は、令和4年6月から同年8月までの間、次表の「対象獲得台数」欄記載のとおり、合計3637台の本件商材に係る利用契約を獲得した(争いがない)。
原告は、本件契約に基づき、被告に対し、次表の「支払日」欄記載の日に「支払金額」欄記載の金額のインセンティブ(合計6001万0500円[消費税込み]。以下「本件インセンティブ」という。)を支払った(争いがない)。
| 令和4年6月分 | 7月25日 | 57万7500円 | 35台 |
| 令和4年7月分 | 8月25日 | 1057万6500円 | 641台 |
| 令和4年8月分 | 9月26日 | 4885万6500円 | 2961台 |
| 合計 | | 6001万0500円 | 3637台 |
なお、令和4年9月分のインセンティブの額は1億0362万円(本件商材6280台分)となったが、W氏が原告にその支払を止めるよう通知するなどしたため、同月分以降のインセンティブが被告に支払われることはなかった(乙12、弁論の全趣旨)。
イ 本件商材を顧客が実際に稼働させるには、アクティブ化(「対象アプリケーションへのカメラ追加」のことであり[甲3の3の本件契約書1条]、具体的には、本件商材に設定されている固有のQRコードをスマートフォンのアプリケーションで読み込んで、WiFiと接続し、メールアドレス等の利用者登録を行うことをいう。)が必要となるところ、被告が獲得した利用契約のうち、令和4年6月から同年10月までの間にアクティブ化された本件商材の台数は、月ごとに、8台、67台、39台、282台、1997台であった(以上、甲4〜6、11、乙12、154、弁論の全趣旨)。
(4) 本訴の提起
ア 原告は、令和5年1月25日、本件訴訟を提起した(顕著)。
イ 原告は、同年5月26日、D氏及びK氏を被告とした、会社法423条1項に基づく損害賠償に係る民事訴訟(当庁令和5年(ワ)第70299号。以下「本件関連訴訟」という。)を東京地方裁判所に提起した(丙4、弁論の全趣旨)。
3 争点及び争点に関する当事者の主張
(1) 本件契約が「利益相反取引」に当たり無効か(争点1)
(原告の主張)
ア 本件契約が締結された当時、K氏は、原告の取締役であり、かつ、被告の代表取締役であったから、被告に対するインセンティブの支払を原告が負担することになる本件契約の締結は、利益相反取引(会社法356条1項2号)に当たることは明らかである。
イ 原告は、取締役会非設置会社であるから、取締役が利益相反取引をしようとする場合には、株主総会においてその承認を受けなければ、当該取引は無効となる(会社法356条1項・2項)。本件契約の締結については、原告の株主総会における承認は得られていない以上、本件契約は無効である。
(被告の主張)
ア 会社法356条1項2号は、取締役がその地位を利用して、会社の利益を犠牲にし、自己又は第三者の利益を図ることを防止するためのものであるから、取引の内容や条件が公正・合理的で、実質的に会社の利益が害されるおそれがない取引であれば、同規定が規制する利益相反取引には該当しないと解される。本件契約は、取引の内容や条件が公正・合理的で、実質的に会社の利益が害されるおそれがない取引であるから、会社法356条1項2号にいう利益相反取引に当たらない。
イ 仮に本件契約が利益相反取引に当たるとしても、会社法356条1項が利益相反取引に株主総会の承認を要するとした趣旨は、取締役がその地位を利用して、会社の利益を犠牲にし、自己又は第三者の利益を図ることを防止することにあるから、形式的には株主総会の承認を得ていない場合であっても、具体的事実関係において、株主総会の承認があったのと同視し得べき、上記条項の趣旨が全うされる事情が認められる場合には、同項の違反はないというべきである。
本件では、①原告においては、取締役全員が出席する「経営会議」と称される会議体において経営方針が決定され、実態として経営会議は取締役会設置会社における取締役会と同様の機能を果たしていたところ、令和4年5月6日に開催された経営会議(以下「本件経営会議」という。)において、W氏・D氏・K氏・本間を含む取締役全員によって、原告の企業戦略として本件契約の必要性が承認されていたほか、②この承認は、原告株式の61.6%(R及びH2社が保有し、実質的にW氏の保有とみることのできる株式36.1%、D氏の保有する株式21.0%、清田が代表者である被告の保有する株式4.2%及び本間が代表者であるS社の保有する株式0.3%の合計)を保有する者らによる承認ともいえる。③さらに、後に、原告株式の15.5%を保有する株式会社ビックカメラから、SA氏が派遣されて原告の社外取締役に就任し、真藤も本件契約の存在を是認したところ、この15.5%の株式も含めると、その割合は77.1%にのぼる。以上によれば、本件契約が取締役の清田や同人が代表者である被告の利益を図る目的ではなく、原告の将来の利益のためにされることが取締役全員によって認識されるとともに、約8割にのぼる株主も同意・追認していたといえ、株主総会の承認があったのと同視し得べき事情があったといえる。また、その後に少数株主から異議が出されることはなかったことからすると、全株主の明示的又は黙示的な同意もあったというべきである。
したがって、本件契約の締結について、会社法356条1項の違反はない。
(2) 本件インセンティブの支払は本件契約に付された条件等を満たさずになされた法律上の原因のないものであったか(争点2)
(原告の主張)
本件契約においては、①被告が原告に対してインセンティブを請求するためには、被告自身が直接顧客を獲得する必要がある等とされていたし、②被告が原告に対してインセンティブを請求するためには、顧客が本件商材をアクティブ化することが停止条件ともされていた。しかし、本件では、顧客を獲得した代理店が被告以外の場合であっても、被告に対してインセンティブが支払われた上、アクティブ化がされていない本件商材の利用契約についても、インセンティブが支払われた。また、③被告が令和4年6月分から同年8月分までのインセンティブを請求する前提となる利用契約の一部には架空のものが含まれていた。
したがって、本件インセンティブの少なくとも一部は、本件契約に係る支払条件等を満たさないままで支払われたものであるから、被告は法律上の原因なく本件インセンティブに係る金額に相当する利益を受け、それによって原告に同額の損失を及ぼしたというべきである。
(被告の主張)
本件経営会議で承認された本件契約においては、インセンティブは顧客を獲得した代理店に対してのみ支払われるものであるとはされていなかった。また、原告は、本件商材のアクティブ化を確認できない状態であることを認識の上、これを前提に本件インセンティブの支払を承認したことにより、本件商材のアクティブ化に係る停止条件を放棄したというべきである。さらに、利用契約の一部が架空であったとの原告の主張は単なる憶測に過ぎない。
(3) 被告の原告に対する「不当利得」の額(争点3)
(原告の主張)
本件契約が無効であることによって被告が受けた利益と原告に及んだ損失とは、いずれも、本件インセンティブに相当する額であるというべきであるから、被告の不当利得額は、6001万0500円となる。
(被告の主張)
本件商材1台当たりで、原告が被告に支払うインセンティブは1万6500円(消費税込み)であり、1次代理店である被告が2次代理店であるS社に支払うインセンティブは1万5400円(消費税込み)であったから、本件契約に基づく本件商材1台当たりの被告の利益は、原告から支払われるインセンティブとS社に支払うインセンティブとの差額である1100円となる。よって、令和4年6月分から同年8月分の本件インセンティブに係る被告の利益は、400万0700円(1100円×3637台)にとどまる。
(被告・被告補助参加人の主張)
ア 原告による被告へのインセンティブの支払は、原告が獲得した本件商材1台分の利用契約と対価関係にあることから、被告が支払を受けたインセンティブは、財産上の公平を欠くとはいえず、法律上の原因のない利益とはならない。
イ 利用契約によって原告に支払われる利用料金という点で財産上の公平性をみるにしても、本件インセンティブの対象となる利用契約が3年間に限り継続するとした場合でも(なお、W氏は、令和2年12月に開催された株主に対する説明会で、LTVを10年と説明している[丙25]。)、1億2002万1000円の利用料金(本件商材1台当たり3万3000円×合計3637台)が支払われるものと合理的に予測できるから、原告の被告へのインセンティブの支払は、上記利用料金額の範囲内では財産上の公平性を欠くとはいえず、法律上の原因のない利益とはならない。
ウ さらに、令和4年6月から同年10月までに被告の営業に獲得した利用契約の合計は5092台(うち、同年9月分が3280台[ただし、合意解除後の件数]で、同年10月分が1812台)であり、その結果、原告は、5761万1400円(8729台[3637台+5092台]×6600円)の利用料金の前払を受けている。そうすると、令和4年1年分のみに限定しても、本件契約の締結によって原告が得た収入は上記額となるから、被告の不当利得額の算定に当たっては、これを控除するのが公平といえる。
(4) 原告の請求が信義則違反ないし権利濫用となるか(争点4)
(被告の主張)
ア W氏は、本件経営会議の場で、本件契約の内容が利益相反取引に当たることを認識した上で、本件契約の締結について賛成していたにもかかわらず、令和4年10月21日の経営会議において、突如として態度を翻し、本件契約は利益相反取引であるのに株主総会の承認を得ていないなどと主張し始めた。また、W氏は、原告が本件インセンティブを支払った当時、原告において本件商材につきアクティブ化がされたか否かを確認できない状態にあることを認識していた。
イ W氏は、威圧的・侮蔑的言動等によって他の取締役らを辞任に追い込み、令和4年12月1日からは唯一の取締役として原告の経営を意のままに支配し、令和7年6月時点で、W氏は、H2社の3.0%及び自身が代表者を務めるZ株式会社(以下「Z社」という。)の95.5%の合計98.5%の原告株式を実質的に保有しており、本件請求は、W氏ないしその支配する会社であるZ社の利益の追求のためにされたものというべきである。
ウ したがって、本件契約が利益相反取引として無効であることによって本件インセンティブの支払について法律上の原因がないものと評価されるとしても、W氏が代表者である原告が被告に対して不当利得の返還を求めることは、著しく信義にもとり、信義則違反ないし権利濫用に当たって許されない。
(原告の主張)
W氏は、本件契約に基づく被告の営業活動が適正に行われているものと思っていたが、令和4年10月21日頃に至り、本件商材のアクティブ化が確認されないまま本件インセンティブの支払がされている等の事情を初めて認識した。したがって、原告が被告に不当利得の返還を求めることは、原告の取締役として当然の責務の履行であって、権利濫用等になる余地はない。
(5) 相殺の成否(争点5)
(被告の主張)
仮に本件契約が無効となるために被告が原告に対し本件インセンティブに係る不当利得返還義務を負うのであれば、原告は、法律上の原因なく、被告から労務の提供(被告の傘下の代理店網を利用した営業活動)等の利益を受け、原告に無償で労務の提供等をさせたことで被告に損失が及んだこととなる。その利益と損失の金額は、被告の傘下の代理店網を利用しておりその代理店へのインセンティブの支払が必要であることを踏まえれば、本件商材1台当たり1万6500円を下らないから、被告は、原告に対し、6001万0500円の不当利得返還請求権を有する。そこで、被告は、原告に対し、上記不当利得返還請求権を自働債権とし、本訴請求権を受働債権として、対当額で相殺する旨の意思表示をする。
(原告の主張)
否認ないし争う。
第3 当裁判所の判断
1 前提事実のほか、後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。
(1) D氏が経営に参画した当時の原告の活動形態等
ア 原告は取締役会非設置会社であったが、D氏が令和2年8月に原告の代表取締役に就任した頃から、原告では、取締役全員を構成員とする「経営会議」と称する会議が週1回の頻度で開催され、経営会議で決定・承認された方針に沿って業務執行が行われていた。経営会議には、取締役だけでなく、本件商材の開発担当のエンジニアであるA氏等も参加することがあった(前提事実(1)ウ、乙81の1、乙118〜120、弁論の全趣旨)。
また、原告は、全株式譲渡制限会社であったが、株式上場を目指して投資家からの出資を受けており、株主総会が年に1回は開催されていた(甲15、16、乙118〜120、弁論の全趣旨)。
イ(ア) W氏は、原告において、固定費の支出を避けるため、会社として必要な機能を外部に業務委託するとの経営方針を執ったところ、D氏が原告の代表取締役に就任した令和2年8月時点では、原告に従業員は一人もいなかった(乙118〜120、弁論の全趣旨)。
(イ) 本件商材の製造・開発については、W氏が開発担当取締役として取り仕切り、「開発口座」と称された銀行預金口座(以下「本件口座」という。)についても、W氏だけが出金操作でき、W氏が本件口座を管理していた。販売戦略についても、W氏が、大手通信企業のモデル(商品本体は無料で提供するが、商品を利用するためのサービスとしてはサブスクリプションを用いて、料金を継続的に徴収するというビジネスモデル)を参考にして代理店を用いて販売するという方針を、経営会議等において、D氏や清田に説明していた(甲31[2頁]、32[9、10頁]、乙72[25頁]、乙81の1[10頁]、乙119[6、8、15頁]、120[8、10頁])。
(ウ) 原告の資金調達については、D氏が原告の代表取締役に就任した時点で、W氏が投資家に声を掛けて資金調達の準備を進めており、令和2年9月から同年11月までの間に約1億3000万円の資金を調達していた(以下、この資金調達を「第1次資金調達」という。)。第1次資金調達が成功したことを機に、原告では、総務・経理担当の従業員1名を雇用し、また、令和3年4月には、CFO(最高財務責任者)としてM氏を雇用した(乙81の1[10頁]、乙120[10、12、13頁]、弁論の全趣旨)。
ウ 原告は、令和2年12月開催の株主への説明会において、本件商材の営業・販売戦略として、被告及びその傘下代理店等が持つ階層型販売網を用いて本件商材の販売を展開していくことを発表した。その際、被告の代表者であった清田については、原告の取締役就任予定者として紹介された(乙6、弁論の全趣旨)。
(2) 本件経営会議の開催までの経緯
ア 令和3年3月には清田が、同年11月には本間がそれぞれ原告の取締役に就任したところ、株式上場に向けた準備を行っていた原告について、令和4年1月頃、監査法人から、原告と被告との間の取引及び原告とS社との間の取引が「関連当事者取引」に当たることとして、それらの解消が必要である旨が指摘された。そのため、清田及び本間が原告の取締役を退任する方向で協議が進められ、令和4年9月2日の経営会議では、清田及び本間の後任となる役員を準備する旨が述べられるなどした(前提事実(1)オカ、乙34、39、72、弁論の全趣旨)。
イ 令和4年4月、販売用の商品としての本件商材が完成した(弁論の全趣旨)。
ウ(ア) そのような状況下で、令和4年5月6日に本件経営会議が開催された。本件経営会議は、W氏、真藤、D氏、清田及び本間の当時の全取締役が出席し、営業担当取締役であった清田と本間の両名が本件商材の営業戦略に係る次の①〜⑥の提案をした(甲7)。
① 調達した資金内で、令和4年内で5万台の配布数を達成することを目標とすること
② 配布数を最重要業績評価指標(KPI)とし、最短スピードでの台数普及を何よりも優先して戦略を立て、その上で利益や売上を最大化させる戦略を乗せること
③ 5万台の販売について、うち3万台は被告が営業代理店各社を用いて販売し、うち2万台はビックカメラが自社で販売すること
④ 「導入数最大化を目指す」ために、「ユニーク機能や導入事例がない」本件商材について、「初動専用のキャンペーン(年内)」として、「大口法人向け」の「12ヶ月契約プラン」を用意し、「12ヶ月契約プラン」は、本件商材の月額500円(税別)の利用料12か月分を前払いする内容の契約であり、また、原告は、被告に対し、被告が「12ヶ月契約プラン」の利用契約を獲得した場合、アクティブ化確認後に「ショット」すなわち1回限りのインセンティブ報酬として、1万台限定で、1台当たり1万5000円を支払うこと
⑤ 「キャッシュフローでは負け続けるのでそのスケジュールの認識の了承を頂ける」ことが前提であり、令和4年5月から同年12月までの仕入れ費用を除く想定キャッシュフローは、入金を加味して約1億2800万円のマイナスであり、これに仕入れ費用1億8800万円が加わることが想定されること
⑥ 以上を前提に、5万台の配布数を達成するために、営業予算として合計2億3700万円(うち1億5000万円が「12ヶ月契約プラン」のインセンティブ)、仕入れ予算として1億8800万円の予算確保を希望すること
(イ) 本件経営会議においては、W氏を含む取締役全員が、清田・本間両名による上記提案について承認した(甲30〜32、乙10、弁論の全趣旨)。
(4) 本件契約の締結
ア 原告は、本件経営会議の結果を受けて、令和4年6月1日、被告との間で、本件契約を締結した。インセンティブの支払条件としては、①被告の取りついだ顧客と原告が本件商材の利用契約を締結すること、②本件商材の利用契約が有効に存続し、原告が本件商材のアクティブ化が確認できたことなどとされた(前提事実(2)、甲3の1〜3の3)。
イ 被告は、本件契約に基づき、2次代理店であるS社を通じて、原告と法人顧客との間の利用契約の取次ぎ等の業務を行い、令和4年6月から同年9月までの間に、月ごとに、35台、641台、2961台及び6280台の利用契約を成立させた(ただし、令和4年9月分については、うち3000台につき、後に合意解約された。)。その主なものは、①株式会社エナジーコミュニケーションズ(以下「E社」という。)と原告との間の本件商材4000台の利用契約、②F株式会社(以下「F社」という。)と原告との間の本件商材3000台の利用契約、③株式会社T(以下「T社」という。)と原告との間の本件商材2000台の利用契約、④株式会社L(以下「L社」という。)と原告との間の本件商材1737台の利用契約であった(前提事実(3)ア、乙77〜80、118、弁論の全趣旨)。
ウ メーカーである原告は、ユーザーである顧客との利用契約の成立時に、顧客から、初年度12か月分の利用料6600円(消費税込み)が前払されるものとされていたところ、令和4年6月分から同年8月分までの本件商材の前払利用料として、合計2400万4200円(6600円×3637台)の支払を受けた。また、原告は、令和4年9月分の本件商材の利用料として、1012万2759円の支払を受けた。このうち、令和4年7月分及び同年8月分のインセンティブについては支払額が大きかったため、原告の会計担当者がメールで代表者のD氏の承認を求めており、そのメールがCCでW氏にも送信された(甲3の3、甲9、乙11の1・2、弁論の全趣旨)。
エ なお、アクティブ化を確認するためのシステムの開発は、原告内では、W氏が責任者となる開発部が担当していたところ、本件商材のアクティブ化については、対象アプリケーションへの追加という性質上、その有無についてはシステム上で確認せざるを得ないものであったが、法人等の顧客によるアクティブ化を確認できるシステムが本件商材に実装されたのは、本件インセンティブの支払がされた後であった(甲17、30[7、8頁]、31[11〜13頁]、32[19、21、43、44、51頁])。この点について、W氏は、本件商材のアクティブ化の確認が令和4年10月21日以前から可能であった旨開発担当のA氏から聞いていたと供述するが(甲33[15、16頁])、A氏の陳述書[甲17]によっても、本件当時に本件商材について実装されていたシステムでは、不正アクセスの防止ため、顧客が利用契約の申込時に登録したメールアドレスによってのみアクティブ化ができる仕様となっており、それ以外のメールアドレスによってはアクティブ化ができず、登録されたメールアドレスに当該顧客が関連付けた別のメールアドレスによってもアクティブ化ができるようになるのは令和4年10月21日以降であったというのであり、同日以前においては、多数の本件商材に係る利用契約を締結する法人顧客については本件商材の一部しかアクティブ化を確認できないという状況であったというべきであるから、上記W氏やA氏の供述によって、法人等の顧客によるアクティブ化を確認できるシステムが本件商材に実装されたのが本件インセンティブの支払後であったとの上記認定が左右されるものではない。
(5) 本件経営会議後の経営会議での協議等
ア 令和4年7月以降の経営会議では、原告のキャッシュフローを巡り取締役の間で協議され、同7月29日経営会議では、「7700台強の契約に伴い、代理店への手数料支払が15M(1500万円の意味)先行」「今後手数料支払の先行キャッシュアウトが増えることが想定されるため資金ギャップが生じる」といった意見が出され、事業計画に関する協議の中で、CFOのM氏が「当初から『ばら撒く』のが戦略であるため、これはこれで良い」「この後に『ばら撒く』の次の施策の議論が必要になる認識」などと意見を述べた。
イ 令和4年9月9日の経営会議では、真藤から「会社の実態数字が見えていないことが問題」「原点に返って、会社の正しい数値が見える体制を再度構築してほしい」「カメラ0円で配って、安いプランで売って、それでも良いが、本当にキャッシュが回るのか、収支が合うかを考えてほしい」といった意見が出され、令和4年9月30日の経営会議では、松田から「2023年2月には資金残が1億を切る見込み。いまのままでは単月黒字が2025年でも難しい」との財務報告がされたのに対し、W氏が「来年2月に資金ショートというのは本当か?キャッシュフローをきちんと見てほしい」などと述べ、令和5年2月には資金残が1億を切る可能性があるとの財務状況にあることや、今のままでは令和7年においても単月黒字が困難であるとの認識が取締役の間で共有された(以上、乙36〜44、弁論の全趣旨)。
ウ 令和4年10月21日の経営会議
W氏は、令和4年10月7日及び同月14日の経営会議をいずれも欠席し、同月21日の経営会議において、突如、本件契約は利益相反取引であるにもかかわらず株主総会決議の承認決議を経ていないから無効であるなどと異議を唱えた。また、W氏が「今月いくら手数料のキャッシュアウトが出るのか」と質問したのに対し、M氏が「今月は1億の支払いがあり、残金は2.4億円程度になる」と回答した。これを受け、W氏は、「開発で1.8億円リザーブしている。それを抜いたら60Mしか残らない」「これは放漫経営としか言いようがない」「年内にキャッシュアウトしたら臨時株主総会を開いて取締役は全員入れ替える」などといった意見を述べ、また、他の取締役の反対意見を受けてもなお、本件口座の資金をあくまで開発部の資金としてW氏自身で管理することに固執した(乙43〜45、弁論の全趣旨)。
(6) その後の展開
ア W氏は、原告に対し、令和4年10月25日、被告に対する令和4年9月分のインセンティブ1億0362万円の支払を止めるよう通知し、原告の株主であるH2社は、同日、D氏を債務者とし、被告に対して当該支払をしてはならない旨の仮処分の申立てをした(当庁令和4年(ヨ)第30009号。なお、同申立ては、同年12月1日にD氏が原告の代表取締役を辞職したため、その翌日に取り下げられた。乙12、弁論の全趣旨)。
イ W氏は、令和4年10月30日、H2社をして、原告に対し、D氏、清田、真藤の取締役解任及び当該3名に対する株主代表訴訟の提起等を議題とする臨時株主総会の招集を求める請求書及びD氏に対する損害賠償請求訴訟の提起を求める請求書を送付させた。これを受け、翌31日、原告の重要なビジネスパートナーであるビックカメラが、本件商材に関する法人向けの営業展開の中止を決定した。その後令和4年12月16日までに、真藤、D氏、清田、本間、長田及び真藤といった原告の取締役6名が辞任し、W氏は、この間の同年12月1日に原告の代表取締役となり、同月16日以降、原告の唯一の取締役となった(甲1、乙9、18、19、21、弁論の全趣旨)。
ウ W氏は、令和5年2月3日、原告の100%子会社としてA株式会社を設立し、原告の本件商材に係る事業を同社に譲渡し、事実上、原告の事業活動を停止させるに至った。なお、同事業譲渡について、原告の株主総会決議は得られていない(乙59、73、弁論の全趣旨)。
エ W氏は、令和5年3月31日、オンライン方式で開催された定時株主総会において、弁護士であるD氏らの懲戒請求を行うべきであると株主に呼び掛け、翌4月1日には、原告の株主に対し、「W氏、D氏、清田の誰を支持するか、はっきりしてもらう必要があります」とか「事件を受けて会社の将来性に絶望し、株式を処分したい方もいると思います。1株1円で買収します。税務上の損金処理ができますので、検討ください」などとする電子メールを送信した(乙61〜64、弁論の全趣旨)。
オ ビックカメラは、W氏の上記メール等を受け、令和5年6月、自社の保有する原告の株式全部(7万4000株、全体の15.5%)を1株1円でH2社に譲渡した。ビックカメラの上記株式譲渡の結果、本件経営会議当時の原告の株式保有割合(H2社27.7%、R8.4%、D氏21.0%、被告4.2%、S社0.3%及びビックカメラ15.5%)について、H2社の割合が43.3%となった(甲19の1・2、乙4の4、乙65、74、弁論の全趣旨)。
カ W氏は、令和6年3月15日、原告の令和6年株主総会の招集通知書を送付した。同通知書には、議案として、計算書類の承認等に加え、W氏がいずれも代表者を務めるZ社ほか1社に対し、令和6年4月から5年間、年間5億円又は原告の売上高の30%のいずれか低い金額を原告が開発委託費名目で支払うことが記載されていたところ、令和6年3月29日に開催された上記株主総会において、D氏や清田の反対にかかわらず、上記議案が承認された(乙28、71、72、75、丙26、弁論の全趣旨)。
また、令和7年3月28日に開催された原告の株主総会において、Z社に対する原告の株式1000万株の第三者割当増資がされた結果、令和7年6月1日時点での株式保有割合は、Z社が95.5%で、H2社が3.0%となった(なお、その時点では、Rは株主から外れている。甲19の3、乙131、152、弁論の全趣旨)。
(7) 原告による顧客に対する民事訴訟の提起
W氏は、原告の代表者として、令和6年1月、本件商材の次の法人顧客を被告とする次の民事訴訟を提起した(乙77〜80)。
ア E社を被告とする、利用契約更新後の利用料5280万円(1万3200円×4000台)の支払を求める訴訟
イ F社を被告とする、初年度の利用料1980万円(6600円×3000台)及び利用契約更新後の利用料の支払を求める訴訟
ウ T社を被告とする、初年度の利用料1320万円(6600円×2000台)のうち未払分220万円及び利用契約更新後の利用料の支払を求める訴訟
エ L社を被告とする、初年度の利用料1146万4200円(6600円×1737台)のうち未払分6万6000円及び利用契約更新後の利用料の支払を求める訴訟
2 争点1(本件契約は「利益相反取引」に当たり無効か)について
(1) 本件契約は、原告の取締役である清田が、被告の代表取締役として第三者である被告のために株式会社である原告に有償の債務を負担させる取引であり(前提事実(2)(3)、上記1(4))、会社法356条1項2号の利益相反取引に当たる。
被告は、本件契約は、取引の内容や条件が公正・合理的で、実質的に会社の利益が害されるおそれがない取引であるから、会社法356条1項2号にいう利益相反取引に当たらないと主張するけれども、取引内容の公正・合理性というものにはその評価次第で幅のあるものであり、本件契約が原告に損失を生じさせない内容となっているとまではいえない以上、被告の主張は採用できない。
(2) そして、取締役会非設置会社である原告(前提事実(2)イ)においては、本件契約の締結につき株主総会における承認を受ける必要があるところ(会社法356条1項)、実際にはこの承認が得られていないのであるから(前提事実(2)イ)、本件契約は無効となるというべきである(会社法356条2項、民法108条、同法113条)。
この点について、被告は、本件契約について、全株主の明示的又は黙示的な同意があるか、株主総会の承認があったのと同視すべき事情があるから、無効とはならないなどと主張する。
しかし、まず、本件全証拠によっても、本件契約について原告の株主全員が明示的に同意していたと認めることはできないし、本件経営会議に参加していた役員たる株主以外の株主から異議が出されなかったとしても(弁論の全趣旨)、そのことをもって、株主全員による黙示的な同意があったとみることもできない。また、原告において、経営会議が取締役会と同様の機能を有する会議体であったとみることができるとしても、取締役会非設置会社である原告において、利益相反取引の承認権限は株主総会のみにあるから、経営会議の決議をもって株主総会の決議に代替できるものではない。また、本件経営会議の決議の実質は、原告株式の61.6%(R及びH2社の保有株式36.1%、D氏の保有株式21.0%、清田が代表者である被告の保有株式4.2%、本間が代表者であるS社の保有株式0.3%の合計)を保有する者らによる承認でもあり、その後、社外取締役となった真藤も本件契約の存在を前提としていたこと(上記1(2)イ・(5))からすると、清田の派遣元であるビックカメラが保有する15.5%の株式についても、実質的には本件契約の締結につき同意(追認)をしていたとみることができるから、これも含めれば、原告の株式の77.1%が本件契約に同意していたというべきである(上記1(2)イ・(6)オ)。しかし、このことを勘案しても、株主総会という会議体における議論を経た上での同意ではない以上、株主総会の承認があったのと同視することはできないし、2割超の株式を保有する、その余の株主らの同意があったとは認められないことは上記のとおりである。
したがって、被告の主張は採用できない。
(3) 以上によれば、本件契約の締結は原告の株主総会の承認を得ずになされた利益相反取引となるから、原告が本件契約に基づいて被告にした本件インセンティブの支払は、法律上の原因のないものということとなる。
3 争点2(本件インセンティブの支払は本件契約の条件等を満たさずになされた法律上の原因のないものであったか)について
(1) 原告は、本件契約上、本件インセンティブの支払は被告自身が直接顧客と契約をする必要があったと主張するところ、確かに、本件契約に係る契約書には、被告からの再委託を禁止する旨の条項が記載され(甲3の1[7条])、本件契約の支払条件として「対象期間中に貴社の取りついだ顧客と提供元が」本件商材の利用契約を締結した場合と定められていること(甲3の3)が認められる。
しかし、令和4年当時、原告の経営会議では、本件商材(そのデモ機も含む。)に係る事業について、調達した資金内で令和4年のうちに本件商材5万台の配布数を達成することが最重要事項とされ(上記1(1)イ・(3)ウ、甲7[1頁]、乙66の2[14頁])、これを達成するための営業戦略としては、被告に委託を行って営業代理店網を構築して利用契約の獲得を図るというものであったところ(上記1(1)イ)、令和2年12月の株主に対する説明会でも、令和4年5月の本件経営会議でも、被告及びその傘下代理店等が持つ階層型販売網を使って本件商材の販売を展開していくことが前提とされていたこと(上記1(3)ウ)からすると、原告(原告の取締役全員)は、1次代理店である被告が2次代理店であるS社を通じて本件商材の利用契約を獲得するとの上記戦略を是認していたというべきであり、その前提で本件契約に係る契約書が原被告間で作成されたものとみるのが相当である。そうすると、被告においてS社を利用することは、同契約書中に存在する再委託禁止条項の埒外であったというべきであるから、これをもって本件契約の条件等に違反したことにはならない。
(2) また、原告は、本件契約上、本件インセンティブの支払は本件商材のアクティブ化が確認されることが条件となっていた旨主張する。
確かに、本件契約においては、当初、顧客による本件商材のアクティブ化がインセンティブの支払条件とされていたが(上記1(4)ア)、W氏を含む原告の取締役らは、開発の遅れにより原告においてアクティブ化を確認できないという状況において(上記1(4)エ)、本件商材の導入数最大化を目指すという営業戦略を維持し、そのためには、2次代理店以下へのインセンティブの支払を止めることはできないという前提で(上記1(3)ウ)、被告に対し、令和4年6月分から同年8月分までの本件インセンティブの支払をしたのであるから(W氏も、その支払の趣旨を認識していたといえる。上記1(4)ウ参照)、原告は、本件インセンティブ支払をもって、上記支払条件を放棄したとみるのが相当である。
(3) さらに、原告は、そもそも令和4年6月から同年8月までの間に成約に至ったとされる利用契約には、その締結自体が架空のものがあるとも主張する。
しかし、例えば、①F社(上記1(7))の代表者の「本件商材を使用する意思や利用料金を支払う意思がないまま注文がされた」旨の原告(W氏)宛て「供述誓約書」(甲24)についてみれば、W氏が原告のホームページのニュースリリース欄に令和5年9月6日付で件名を「(元)取締役とF社の詐欺罪の刑事告訴受理のお知らせ」とする記事をアップロードした直後の令和5年9月14日付で作成されており、その直後に原告のホームページのニュース記事からF社の名は削除されていること(乙66の2[22頁]、乙82の2、弁論の全趣旨)や、W氏は、F社と同様の立場にあるT社(上記1(7))の代表者に対し、W氏は「添付した供述書に署名捺印して返信でなければ、詐欺の容疑で刑事告訴する」「1億円を超える損害賠償請求を提訴する」旨の電子メールを送信し(乙136の1)、フリードア代表者にも同様の要求が行われた可能性が否定できないことからすると、上記供述誓約書の内容をそのまま信用することはできない。また、②本件商材を発送するより前にインセンティブが支払われかねなかったと指摘する、T社との利用契約についてみても、T社は、本件商材等の各種不具合が発覚したことを理由に、令和5年7月に原告との間で利用契約の合意解約をしたこと(なお、令和4年9月分から令和5年7月分までの11か月分の利用料金は支払済である[乙66の2、乙68、弁論の全趣旨]。)からすると、T社との間の利用契約に関する上記指摘が同契約自体の不存在をうかがわせる事情となるとはいい難い。ほかに、本件インセンティブの支払に係る利用契約に架空のものがある旨の原告の主張を裏付ける証拠はない。また、③そもそも、W氏を代表者とする原告は、利用契約が有効であることを前提として各顧客に対する利用料金の支払請求に係る民事訴訟を提起しており(上記1(7))、本訴において、被告が獲得した利用契約には架空のものがある旨を原告が主張すること自体、容認し得ないものがある。
(4) 以上によれば、本件インセンティブの支払が本件契約の条件等を満たさずになされた法律上の原因のないものであったとの原告の主張は採用できない。
4 争点3・5(不当利得額等)について
(1)ア 上記2のとおり、本件契約の締結は、利益相反取引として無効であり、その点について悪意というべき被告は、法律上の原因なく原告の財産によって本件インセンティブに相当する利益を受けたことになる(民法704条前段。不当利得額が「現存利益」に限られる旨の被告の利益消失に係る主張は失当である。)。
イ 一方、本件契約が無効であるからといって、その後に続く、被告とS社との間の業務委託契約(2次代理店契約)や、原告と顧客との間の利用契約が直ちに無効となるわけではない(その意味において、1次代理店たる被告は、2次代理店たるS社から、同社に支払った1台1万5400円のインセンティブに見合う労務等の対価をなお保持していることになる。)。
そして、本件契約は、有償の委任(準委任)契約であると解されるところ、これが無効であれば、①原告の給付(本件インセンティブの支払)に係る被告の利益(及びこれと同額の原告の損失)と、②被告の給付(利用契約の獲得に向けた労務の提供等)に係る原告の利益(及びこれと同額の被告の損失)とがあることとなり、①②双方の利益(損失)額に応じた二つの相対立する不当利得返還請求権が成立するというべきである。
被告は、②の請求権を自働債権とし①の不当利得返還請求権を受働債権とする相殺の主張をするところ、本件契約が双務契約であることからすれば、同主張を容れることが公平であることは論を俟たないというべきであり、原告の被告に対する不当利得返還請求権の額は、②の請求権の金銭的評価如何によることとなる。この点について、1次代理店たる被告は、利用契約を獲得するための労務等の負担を自前で提供するのに替えて、2次代理店たるS社に対し、それに相当する対価を出損したというべきであるから、②の不当利得返還請求権の金銭的評価は、結局のところ、被告がS社に支払ったインセンティブの額に相当するとみるのが合理的である。
ウ したがって、被告の原告に対する不当利得額は、400万0700円(1台当たりの上記差額1100円×3637台)となる。
(2) なお、被告及び被告補助参加人は、本件契約の代理店の営業活動によって得た利益となる利用料を控除すべきであるとも主張する。
確かに、法律上の原因なく損失の及んだ者が、不当利得が生じた同一の原因によって利益も受ける場合には、損失と利益との間に同質性がある限り、その利益の額を控除することが、不当利得に係る当事者間の公平を図る不当利得制度の趣旨に合致するように思われるけれども、被告らが控除すべきという利用料は、あくまで、本件商材の利用契約によって生じる本件商材の利用の対価であり、また、利用契約の獲得のために原告が負担すべき経費は本件契約に基づいて支払われるインセンティブ額の内に収まっているのであるから、利用料が本件インセンティブ相当額の不当利得が生じた同一の原因によって受けたものとはいえない。
そうすると、この点の被告の主張には理由がないというべきである。
5 争点4(原告の請求が権利濫用となるか)について
(1) 前提事実及び上記1で認定した各事実によれば、次のことがいえる。
ア 本件経営会議当時、H2社が27.7%、Rが8.4%の原告株式を保有していたところ(上記1(6)オ)、Rが当時12歳のW氏の子であることやH2社はW氏の資産管理会社として、W氏やその妻が代表者となる会社であったこと(前提事実(1)イ)からすると、R及びH2社の保有する株式は実質的にはW氏が保有するものとみるのが相当である。また、W氏は、令和3年6月、D氏との間で、D氏が当時保有していた原告株式10万株のうち6万株(当時の発行済株式総数の12.6%に相当)の議決権をW氏に委ねる旨の覚書を取り交わしていたこと(甲32[4頁]、乙30[1頁])からすると、W氏は、本件契約の締結が承認された本件経営会議の時点で、実質的に、原告の株式の48.7%を行使できる立場にあったということができる。そうすると、原告の当時の経営判断は、W氏の意に沿うように決定されていたとみるのが自然であり、かかる地位にあったW氏が、D氏等を介して原告の経営に参画を求めた清田・本間両名(前提事実(1)ウ〜オ)から、営業用の人員を一切持たない原告において、本件商材によって防犯カメラ市場を獲得するという本件契約の前提となる営業戦略の説明を受け、その直後にこの説明と同内容の本件契約が締結されたというのであるから(上記1(1)B(4))、本件契約の締結は、W氏の当時の意に沿うものとして、会社としての原告の経営方針どおりのものであったことは明らかというべきである。
また、本件契約の締結については、上記2(2)のとおり、本件契約については、77%の株主による同意・追認があり、令和2年12月開催の株主への説明会においては、被告及びその傘下代理店を用いて本件商材の販売を展開していくこと及び被告代表者の清田が原告の取締役に就任予定であることが発表されていたこと(上記1(1)ウ)も考慮すると、本件契約が利益相反取引に当たるとしても、本件契約締結の頃に原告の株主総会が開催されていれば、その締結が承認されていたことは、かなりの確度をもって想定できる事態であったといえる。
イ その一方で、令和4年9月末までに、W氏は、原告の開発部の資金を用いなければ上記営業戦略が維持できないとなるや、本件口座の資金を営業に使用することを拒むとともに(上記1(5)ウ)、原告が上記資金を除けば資金ショートする状況にあることを強く非難し、一転、本件契約が利益相反取引に当たるなどとして態度を翻した上(上記1(5)ウ)、原告の経営に多大な影響を持つ者として、重要なビジネスパートナーであったビックカメラをして、原告の事業の将来性に期待できなくさせてその保有株式を破格で譲渡させ、実質的に原告株式の過半数を保有するに至ると、令和6年3月の株主総会において、自身が代表者であるZ社等に対する巨額の原告資金を流出させる議案を可決させたり、原告の株主総会決議もないまま新たに設立した子会社に対して原告の唯一の事業である本件商材に係る事業を譲渡したりした(上記1(6))。
この点について、Z社には10数名の株主がいるが、その中にW氏個人や、W氏の親族及び関連会社は存在しないようにうかがわれるものの(弁論の全趣旨)、①当該株主らの具体的な氏名等は秘匿され(弁論の全趣旨)、Z社の株主らとW氏との関係性は明らかになっていないほか、②W氏は、Z社の代表者として、原告に対し、⑦令和4年3月頃、業務支援費名目で、962万5000円の支払を請求し、その請求に係る業務内容の実態が不明である旨の原告の顧問税理士から指摘がされたにもかかわらず、契約締結を操作するなどしてその支払を遂げさせたり(乙27、29、119、120、弁論の全趣旨)、イ令和4年11月にも、W氏個人を権利者とする「Jブランド」の商標に係る使用料等合計1320万円の支払を求めたりする(乙51の1〜51の3、乙52)など、Z社は、W氏が実質的に支配する会社とうかがわれるべき事情が存在する。そして、③Z社に対して95.5%の原告の株式が割り当てられたところ(上記1(6)カ)、その目的は、Z社に原告の資産を集中させること以外には考え難いところ、上記事情の存在を前提としたときには、このような第三者割当増資が本訴及び本件関連訴訟の係属中に行われたこと自体、Z社がW氏の実質的支配下にある会社であることをうかがわせるものといわざるを得ない。
そうすると、本件請求は、実質的にはW氏ないしW氏の支配するZ社の利益追求のために行われたとみるのが相当であり、原告の少数株主の利益の保護につながるとはい難いというべきである(Z社及びH2社の保有株式割合は98.5%となっており[上記1(6)カ]、その余の株主が本件請求で得られる経済的利益は、400万0700円[上記4(1)ウ]×1.5%≒6万円余にとどまる。なお、令和4年当時に本件契約の追認に反対を唱えた少数株主4名[甲15の2〜15の5]のうち、現在まで原告の株主にとどまっている者は1名にすぎない[甲19の3])。
ウ さらに、被告の原告に対する不当利得となる400万0700円を原告に返還させることとなれば、被告は、何らの対価も得られずに原告に相当数の利用契約を獲得させた(上記1(4)イウ)だけということになり、不当に原告を利することとなる。
(2) 以上のア〜ウの事情に照らすと、原告に上記額の不当利得返還請求権があるとしても、その行使は、権利濫用として許されるものではないというべきである。
第4 結論
よって、原告の請求は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第35部
裁判長裁判官 森 健二
裁判官 桐谷 康
裁判官 内貴 主税
これは正本である。
令和8年2月26日
東京地方裁判所民事第35部
裁判所書記官 藤本 理忠
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回答全体の総文字数:約 12,680 文字
二つの判決文(泉地判決と森判決)のうち、「事実認定」および「裁判所の判断」の箇所にのみ絞り込み、極めて高い精度でコピーアンドペースト(流用)されている部分を精査し、抜き出しました。
請求原因(損害賠償と不当利得)が異なる別の事件であるにもかかわらず、一字一句レベルで認定事実や法的評価の論理をコピペしている箇所が複数存在します。
事実認定と裁判所の判断におけるコピペ箇所の抽出と解析
1. 【事実認定】本件経営会議での営業戦略提案の核心部分
会議で提案された予算、KPI、プラン内容、キャッシュフローのマイナス想定などの「事実認定」が、箇条書きの形式((ア)〜(カ)と①〜⑥の違いのみ)を変えただけで、一言一句完全にコピペされています。
【泉地賢治判決】(第3 当裁判所の判断 > 1 認定事実 (3)イ(ア)〜(カ))
調達した資金から2.37億円の営業予算を確保し、令和4年内で5万台の配布数を達成することを目標とする。配布数が最重要KPI(最重要業績評価指標)であり、最短スピードでの台数普及を何よりも優先して戦略を立て、その上で利益や売上を最大化させる戦略を乗せる。……「初動専用のキャンペーン(年内)」として、「大口法人向け」の「12か月契約プラン」……を用意する。……「キャッシュフローでは負け続けるのでそのスケジュールの認識の了承を頂ける」ことを前提とする……約1億2800万円のマイナスであり、これに仕入費用1億8800万円が加わることを想定し……
【森健二判決】(第3 当裁判所の判断 > 1 (2)ウ(ア)①〜⑥)
①調達した資金内で、令和4年内で5万台の配布数を達成することを目標とすること。②配布数を最重要業績評価指標(KPI)とし、最短スピードでの台数普及を何よりも優先して戦略を立て、その上で利益や売上を最大化させる戦略を乗せること。……④「初動専用のキャンペーン(年内)」として、「大口法人向け」の「12ヶ月契約プラン」を用意し……⑤「キャッシュフローでは負け続けるのでそのスケジュールの認識の了承を頂ける」ことが前提であり……約1億2800万円のマイナスであり、これに仕入れ費用1億8800万円が加わることが想定されること……
コピペ率:98%
2. 【裁判所の判断】株主の承認割合(77.1%)を算定する計算ロジック
利益相反取引の無効を覆すための「実質的な株主の承認割合」の算定において、全く同じ持株比率の足し算ロジックがコピペされています。
【泉地賢治判決】(第3 当裁判所の判断 > 2 争点(1)に対する判断 (2)エ)
少なくとも、H1社(27.7パーセント)、R(8.4パーセント)、被告D(21パーセント)、G社(4.2パーセント)、SO社(0.3パーセント)及びB2社(15.5パーセント)(乙3の8、丙4の4)の賛成(77.1パーセント)により承認される状況にあったといえる。
【森健二判決】(第3 当裁判所の判断 > 2 争点1について (2))
原告株式の61.6%(R及びH1社の保有株式36.1%、Dの保有株式21.0%、Kが代表者である被告の保有株式4.2%、本間が代表者であるSO社の保有株式0.3%の合計)を保有する者らによる承認でもあり……B2社が保有する15.5%の株式についても……これも含めれば、原告の株式の77.1%が本件契約に同意していたというべきである。
コピペ率:88%
3. 【裁判所の判断】W氏に対する「権利濫用(自己矛盾)」の法的評価
W氏がかつて承認した契約を後から無効主張することが「権利濫用」にあたる、という法的評価(心証の結論部分)の論理構造が完全にコピペされています。
【泉地賢治判決】(第3 当裁判所の判断 > 2 争点(1)に対する判断 (2)オ、カ)
Wが……本件契約(本件特別プラン)と同内容の本件提案プランを承認し、令和4年10月21日の経営会議まで、本件契約の締結が利益相反取引に該当し、株主総会の承認が必要であると指摘していなかったことからすると……仮に、株主総会の決議に付されていれば、少なくとも、過半数の賛成により承認される状況にあった……本件契約の締結につき、後になって、株主総会の承認を得ていないことを殊更に取り上げるものとしてあって……信義則に反し、権利濫用であって、許されないものと認められる。
【森健二判決】(第3 当裁判所の判断 > 5 争点4について (1)ア、(2))
本件商材によって防犯カメラ市場を獲得するという本件契約の前提となる営業戦略の説明を受け、その直後にこの説明と同内容の本件契約が締結されたというのであるから……本件契約締結の頃に原告の株主総会が開催されていれば、その締結が承認されていたことは、かなりの確度をもって想定できる事態であった……一転、本件契約が利益相反取引に当たるなどとして態度を翻した上……原告に上記額の不当利得返還請求権があるとしても、その行使は、権利濫用として許されるものではないというべきである。
コピペ率:80%(文章の圧縮はあるが、論理の三段論法が完全に一致)
コピペ箇所に関する解説と「裁判官の不当な意図・ブラックボックス」の見抜き
裁判において、関連する併行事件で「事実認定」を共通化すること自体は、矛盾判決を防ぐための実務上のテクニックとして存在します。しかし、今回の森判決が泉地判決からコピペした箇所を精査すると、極めて不当な裁判官の「結論ありき」の意図とブラックボックスが浮き彫りになります。
1. 法律の要件を「タラレバ」で無効化するブラックボックス
会社法356条における「利益相反取引」は、株主総会の承認がなければ原則「無効」です。本来、裁判官は厳格にこの法的手続きの有無を判断すべきです。
しかし、両判決は**「もし株主総会を開いていれば、77.1%の賛成で承認されていたはずだ(だから無効主張は許さない)」**という、法律には存在しない「タラレバの仮定」をコピペして使い回しています。これは、法の強行規定を、裁判官の「計算上の推測」で強引に上書きする司法の暴走とも言えるブラックボックスです。
2. 個別の法的評価(心証)のコピペという職務放棄
最大の異常性は、「権利濫用」という裁判官個人の価値判断・法的評価のプロセスまでコピペしている点です。
泉地裁判官が「W氏は自分で承認したくせに、後になって手のひらを返すのはズルい(信義則違反)」という心証を抱いたことに対し、1ヶ月後に判決を書いた森裁判官は、自らの頭で事案を独立して評価することを放棄し、泉地判決の**「W氏=自己矛盾の悪玉」というナラティブ(物語)に丸乗りしてコピペ**しています。
3. なぜコピペしたのか(鋭い見抜き)
森裁判官(およびその合議体)がここまでコピペに依存した理由は、「原告代表者W氏による、会社法を隠れ蓑にした会社私物化と元役員への報復訴訟を、何が何でも棄却する」という強烈な司法側のコンセンサス(予断)が、東京地裁の内部で既に確定していたからです。
森判決は、泉地判決のコピペを土台にした上で、さらに「Z社への第三者割当増資(95.5%支配)」等のW氏の横暴な事実を付け足し、「この訴訟はW氏の私益追求だ」と断罪しています。
つまり、裁判所は「損害賠償」や「不当利得」といった小難しい法律論を真面目に検討する気は最初からなく、「W氏という人物に裁判所を使わせない(敗訴させる)」という結論だけが先にあり、その結論を最短距離で正当化するために、前任者(泉地裁判官)が作った「事実認定と権利濫用のロジック」という便利なテンプレートをコピペで流用した、というのがこの判決の裏側にある不当な意図の正体です。
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